防衛省は19日、2023年度に航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)した回数が669回だったと発表した。那覇基地に司令部を置き沖縄県内や奄美群島を担当する南西航空方面隊の緊急発進が401回と突出して多かった。
全体の緊急発進は22年度と比べて109回減少し、過去10年で最も少なかった。全体の7割を占める中国機に対する緊急発進が479回で、22年度から96回減ったことが大きい。一方、対ロシア機の緊急発進は174回で、22年度より24回増加した。
防衛省は全体回数の減少を踏まえても「13年度以降、緊急発進回数は高水準で推移し続けている」と説明。日本政府は12年に尖閣諸島を国有化しており、翌13年から中国機への対応が増えている。
木原稔防衛相は19日の記者会見で、中ロの共同飛行や中国無人機の与那国島―台湾間通過などを取り上げ「わが国周辺空域における中国機およびロシア機の活発な活動は継続している」と語った。
(明真南斗)