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能登復興へ予備費1389億円 政府支出 被災者生活再建財源に


能登復興へ予備費1389億円 政府支出 被災者生活再建財源に 石川県能越自動車道の対面通行区間
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政府は23日、能登半島地震からの復旧・復興に向けた支援のため、2024年度の予備費から1389億円を支出することを閣議決定した。被災者の生活再建の財源などに充てる。同日開かれた能登半島地震の復旧・復興支援本部会合で、被災した能越自動車道について、7月末をめどに、被害が大きい能登大橋付近を除き、対面通行を確保する方針を示した。
 能越自動車道は、能登半島北部へ向かう主要道路。夏休み前のアクセス向上で、復旧・復興事業の加速化が期待される。
 岸田文雄首相は「被災地の声にしっかりと寄り添い、復旧・復興を全面的にバックアップしていく」と強調。被災自治体を支援する「復興基金」について、石川県の方針に合わせ、6月めどの創設に向けて取り組むよう指示した。財源や規模など詳細は、今後詰める。
 予備費は応急仮設住宅の建設に683億円、公共土木施設や公共施設の復旧に647億円、農林漁業者への支援に44億円を計上。高齢者や障害者らを対象に、仮設住宅の敷地内などで食事や入浴などの介護や障害福祉サービスを提供する拠点を設置する費用として、16億円を盛り込んだ。
 同地震に対応する予備費支出としては第4弾で、総額では4100億円超となる。
 国土交通省によると、能越道は、のと里山空港インターチェンジ(IC)―徳田大津IC(約33キロ)が金沢市から輪島市方面への一方通行になっている。7月末までに大部分で対面通行が可能となる見通し。大規模な土砂崩れが発生した能登大橋付近は、7月末以降も当面は片側交互通行にする。
 一方、国交省は石川県内の断水について、輪島市の一部が「4月~5月末」の解消となるなど、当初の見込みより遅れが出ていると明らかにした。担当課は「想定よりも水道管の損傷が深刻な箇所が見つかっている」と説明している。