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再エネ新税 28府県「関心」 宮城県が初導入、効果注目


再エネ新税 28府県「関心」 宮城県が初導入、効果注目 青森県内の森林に設置されている風車=2023年10月
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 森林を大規模開発する再生可能エネルギー事業者に対して営業利益の2割相当を課税し、森林以外に誘導することで自然保護と再エネ推進の両立を図る全国初の宮城県新税について、都道府県の6割に当たる28府県が「関心がある」と回答したことが23日、共同通信のアンケートで分かった。新税は今月1日に導入されたばかり。「税による立地誘導」という新しい手法が効果を発揮するかどうか、全国の自治体が注目していることを裏付けた形だ。
 太陽光や風力発電建設に伴う自然環境の破壊や住民トラブルは各地で相次いでおり、自治体側は対応に苦慮している。28府県のうち山形は、災害防止や景観保全の観点から「課税の導入を検討中」と回答。青森も「導入の可否を含め検討中」としており、今後各地で再エネ課税の動きが広まる可能性もある。
 アンケートは1~3月に実施。全都道府県から回答を得た。新税への関心を選択式で聞いたところ、「関心がある」としたのは兵庫、愛媛、大分など28府県。宮城を含む16都道府県が「その他」を選び「内容について情報収集している」(香川)「動向を注視している」(千葉)などと答えた。「関心はない」と答えたのは2県だった。
 調査時点で再エネ課税の導入を「検討中」としたのは山形のみ。30都道府県は「検討していない」と回答した。「その他」を選んだ15府県の回答の中には「他自治体の状況を見極める必要がある」(茨城)などの記述があった。
 愛知は、いずれの設問にも無回答だった。
 自由記述欄では、国に積極的な対応を求める意見が相次いだ。岡山は、自治体が独自の対策に走れば各地で規制内容に差が生じ「規制の少ない自治体に不適切な開発が集中する恐れがある」として、国に統一的な基準の設定を求めた。島根は、住民団体による反対運動が起きた事例を踏まえ「地域住民の理解を得ないまま(再エネ施設の)設置が進むことがないような法整備」を求めた。