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罰則、適用を限定 自民規正法案 不記載、議員に責任


罰則、適用を限定 自民規正法案 不記載、議員に責任 自民党案のポイント
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党は23日、派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた政治資金規正法改正の作業部会を党本部で開き、独自案を提示した。政治資金収支報告書の提出時に国会議員による「確認書」添付を義務付け、不記載・虚偽記載への監督責任を明記した。議員の罰則規定を設けたが、適用要件は限定した。パーティー収入の透明化や政策活動費の在り方は「課題」とし、案を示さなかった。政治団体の収入を外部監査の対象に加えるとした。
 独自案は作業部会で了承された。26日に初開催される衆院政治改革特別委員会を前に主要各党の案が出そろった。岸田文雄首相は今国会での法改正実現を表明している。自民、公明両党は24日に実務者協議を開き、双方の案を擦り合わせる。
 自民は議員の監督責任を柱に据え、「国会議員関係政治団体」の収支報告書について内容把握と確認書作成を義務化する。罰則に議員の公民権停止を盛り込み、連座制に近い仕組みとした。
 公明案は議員が会計責任者の選任または監督に注意を怠った場合の罰金刑を連座制と位置付けており、自公協議の論点となる。山口那津男代表は記者会見で、早期合意に向けた努力を求めた。
 ただ自民案は適用要件を、会計責任者が収支報告書への不記載や虚偽記載で処罰され、議員が必要事項を確認せずに確認書を交付したケースに絞った。一方、不記載の相当額を没収し、国に納付させる規定も設けた。
 裏金事件で焦点となった政治資金パーティーについては「透明性の在り方」「外国人へのパーティー券販売の在り方」との記述以上に踏み込まなかった。党幹部に支出し使途報告義務がない政策活動費は、透明性を課題に挙げただけだった。
 調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の支出公開の是非や国会議員関係政治団体から「その他の政治団体」への資金移動の問題なども「各党と真摯(しんし)な協議を行う」とするにとどめた。政治資金公開の留意点として「国内外の勢力に対するセキュリティー」などを列記して「公開がなじまない場合への配慮の必要」にも言及した。