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小沢氏権力集中 問題視 故横路議長の口述記録公開


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 故横路孝弘元衆院議長は衆院がこのほど公開した口述記録で、2009年衆院選で政権を奪取した当時の民主党の党運営に触れ、小沢一郎幹事長(現立憲民主党衆院議員)への権力集中を問題視していた。
 各種陳情の幹事長室への一元化などを決めた小沢氏の政治手法に関し、政官財の「鉄の三角形」を壊すとした主張とは裏腹に「業界と政」の一本化を図っていたと指摘。「非常に大きな問題」と回想した。
 民主党出身の横路氏は、小沢氏が鳩山由紀夫首相から党務を巡り事実上の一任を取り付けたため、政府、与党内にいびつな権力構造が生まれたと分析。鳩山氏がほとんど出席しなくなった党役員会に言及し「小沢さんの支配というか、小沢王国が完成した」と振り返った。
 野党時代の07年に、党代表だった小沢氏と自民党総裁の福田康夫首相との間で一時浮上した「大連立構想」も回顧。頓挫した経緯について、民主内で「大政翼賛会みたいなことをやっても政権は取れない」との反対論が出たと説明した。横路氏も、こうした立場だったとされる。
 一方、01年の米中枢同時テロを受けたテロ対策特別措置法に基づく自衛隊派遣を巡り、横路氏が賛成の党議決定に造反した際、当時は自由党党首だった小沢氏が主張に同意し、接触があったとも証言。「これがきっかけで、小沢さんが合流してくる」と述べ、03年の民主党と自由党による合併の呼び水になったとの見方も示した。