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立民、政権信任「値せず」 衆院3補選 自民立て直し急務


立民、政権信任「値せず」 衆院3補選 自民立て直し急務 連合の地方組織との会合で、あいさつする立憲民主党の泉代表=29日午後、大阪市
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党が全敗した28日の衆院3補欠選挙を受け、3勝した立憲民主党の泉健太代表は岸田政権に対し「信任に値しないと明確にする」と攻勢を示した。自民派閥の政治資金パーティー裏金事件を追い風に、衆院解散・総選挙へ早期に追い込みたい考えだ。自民は党勢立て直しを急務とし「党の信頼回復」(幹部)の道を模索する。日本維新の会は2選挙区で及ばなかった敗因分析を急ぐ。
 岸田文雄首相は24日の参院予算委員会で補選について問われ「私の政治に対する姿勢も評価の対象に入ると認識している」と答弁した。国会は大型連休明けから政治資金規正法改正の議論が本格化する。連座制や政策活動費を巡る与野党の主張に開きがあり、駆け引きが活発化する見通しだ。
 泉氏は29日、大阪市で連合の地方組織との会合に出席し、規正法の自民案に「有権者はノーを突き付けた」と指摘。「補選勝利に喜んで終わりではない。政治改革でさらに攻勢を強める」と訴えた。記者団の取材には、首相が解散するのは容易でないとの認識を示した上で「いつあっても対応する」と答えた。
 安住淳国対委員長は仙台市で講演し「野党をまとめ、国会会期末には首相に決断させる状況をつくらなければならない」と意気込んだ。内閣不信任決議案を念頭に置いた発言とみられる。
 一方、自民幹部は唯一候補を擁立した島根1区の大敗について「厳しい批判を覆せなかった。真摯(しんし)に受け止め、規正法改正に全力を挙げる」と述べた。閣僚経験者は「改革を進める人材を登用すべきだ」と党などの人事の必要性を言及した。
 維新は東京15区と長崎3区で2敗。藤田文武幹事長は取材に「政治不信が広がる中、受け皿として浸透し切れなかった」と選挙戦を振り返った。