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続く避難、なお4606人 能登地震4カ月 輪島で給食再開


続く避難、なお4606人 能登地震4カ月 輪島で給食再開 能登半島地震から4カ月となった「輪島朝市」周辺の焼け跡に花を手向け、発生時刻に合わせ手を合わせる女性=1日午後、石川県輪島市
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 石川県で245人が死亡した能登半島地震は1日、発生から4カ月となった。被災地では地震の発生時刻に合わせ、亡くなった人をしのぶ姿が見られた。住民の避難生活は続き、4月30日時点で4606人が、学校や、地元から離れたホテルなどで暮らす。
 (4面に関連)
 地震が起きた午後4時10分ごろ、火災で大半が焼失した輪島市の「輪島朝市」では、北海道岩内町からボランティアで訪れている目黒聡美さん(65)が手を合わせ、黙とう。「別世界に来たような衝撃を受けた。幸せな日常が戻ってくるように応援したい」と話した。
 被災地では大型連休中に観光施設が再開し、なりわい再建に向けた動きも出てきた。津波に襲われた能登町の「能登塩業組合」は4月下旬、伝統の揚げ浜式の塩作りを再開。職人船本則充さん(65)は「一歩ずつでも前に進まないといけない」と語った。
 輪島市では1日、全ての市立小中学校で給食が再開。複数の小学校が合同で使う輪島中ではカレーが提供され、児童が笑顔で頰張っていた。
 復旧が進まない場所は、倒壊した家屋で道がふさがれたり、津波で流された船や車が残されたりしたままだ。半壊状態の自宅の掃除をしていた輪島・鳳至地区の海女北出麻里子さん(55)は「家は壊すしかないが、仮設住宅もできていない。今後のことは何も考えられない」。珠洲市のバス運転手高橋幸司さん(63)は「壊れた街並みは地震があった元日のままだ」とため息をついた。
 県の4月末時点の集計では、住宅被害は計7万8568棟に上る。県建設の仮設住宅は3368戸が完成。8月中に約6400戸の完成を目指すが、うち1割強は着工していない。
 避難者の内訳は、学校や公民館など1次避難所2618人、被災地から離れたホテルや旅館など2次避難所に1922人など。断水は石川県内の3780戸まで減ったが、家屋内の配管損傷が激しく通水できないケースが多い。犠牲者は、家屋倒壊などによる直接死が230人。災害関連死は15人に上る。