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居場所、相談窓口設置へ 困難女性支援法施行1カ月


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 ドメスティックバイオレンス(DV)や性被害などに直面する女性を対象とした「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律(困難女性支援法)」が4月の施行から1日で1カ月となった。新型コロナウイルス禍で貧困や孤立といった多様な課題が顕在化。支援強化に向けた新たな枠組みとなる。先駆的な取り組みをしている民間団体と連携し、住まいへの訪問、居場所の提供、相談窓口の設置などを実施する。
 若者が集う東京・歌舞伎町の「トー横」と呼ばれる一角などでは、女性が犯罪に巻き込まれる事態が相次ぐ。政府は、複雑な問題を抱える女性一人一人に寄り添った支援につなげたい考えだ。
 これまでの支援は「婦人保護事業」と呼ばれ、売春の恐れがある女性の保護更生が目的の売春防止法(1956年制定)を根拠に実施されてきた。2022年に成立した困難女性支援法は、新たに女性の福祉増進や人権尊重、男女平等を掲げ、支援の実施を国と自治体の責務と規定した。
 国の基本方針を受け、都道府県は施策の内容を盛り込んだ基本計画を作成。都道府県と市町村は、NPOなどが参加する「調整会議」を設置し支援内容を協議する。
 官民が協力して女性の住まいなどへの訪問支援や居場所の提供、交流サイト(SNS)を使った相談による問題の早期発見などに取り組むことを想定する。民間団体の活動費用を国や自治体が補助する仕組みも設ける。