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必要理由「安保環境変化」 必要なし「平和主義崩れる」 憲法世論調査・9条改正


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 憲法9条改正が必要と回答した人の中で、最も多かった理由は「北朝鮮の核・ミサイルや中国の軍備拡張、ロシアのウクライナ侵攻など安全保障環境の変化」で67%に上った。「今の憲法では自衛隊は憲法違反との指摘がある」を選んだ人は20%と少数派だった。 (1面に関連)
 「自衛隊違憲論」の解消は、自民党が9条改正を主張する根拠の一つ。岸田文雄首相も「自衛隊を明確に位置付け、違憲論争に終止符を打つ」と改正に意欲を示すが、世論は厳しい国際情勢を懸念する割合の方が多い結果となった。
 必要ないとする理由は「平和主義が崩れる恐れがある」が50%で最多だった。「他国の戦争に巻き込まれる恐れがある」30%、「今の憲法でも自衛隊は合憲と解釈できる」14%と続いた。
 9条改正が必要と答えた男女別では、男性61%、女性42%と違いが出た。30代以下の若年層は45%、40~50代の中年層は54%、60代以上の高年層は51%。主な政党の支持層別で見ると、「必要」が多いのは国民民主党73%、日本維新の会71%、自民65%、公明党54%の順で、与党よりも一部野党の方が多い傾向がみられた。「必要ない」としたのは共産党71%、立憲民主党64%が上位だった。

 ▽調査の方法=層化2段無作為抽出法により、約1億人の有権者の縮図となるように全国250地点から18歳以上の男女3千人を調査対象者に選び、郵送法で実施した。
 3月5日に調査票を発送し、4月15日までに届いた返送総数は2061。記入不備や、対象者以外の人が代理回答したと明記されたものなどを除いた有効回答は1966。回収率は65・5%だった。回答者の内訳は男性47%、女性53%。29歳以下10%、30代13%、40代17%、50代22%、60代19%、70歳以上19%。