有料

与野党で賛否割れ 自治法指示権


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政府は3月、地方自治の基本法である地方自治法の改正案を閣議決定し、開会中の国会での成立を目指している。災害時などに地方自治体に対して国が指示権を行使できる「補充的指示権」を創設するなどの内容だ。政府による緊急時の迅速な対応につながるとして肯定的な意見がある一方で、憲法で定められた地方自治の本旨が損なわれかねないとの批判もある。アンケートでは与野党で賛否が明確に分かれた。
 野党で沖縄の風の伊波洋一氏は「惨事に便乗して国の権限を強化し、憲法92条が保障する団体自治権を侵害するものだ」と厳しく批判。「国は余計な手出しをせず、自治体を支援する役割に徹するべき」と指摘した。
 自民の国場幸之助氏は「国と地方の主従関係の復活ではない」と反論。新型コロナ禍で国と自治体の役割分担を巡り課題が指摘されたとし、「自治体にあった指示を可能にし、自治体の行政を進めるために必要」とした。 (大嶺雅俊)