【ホノルル共同=市川貴則】日本と米国、オーストラリア、フィリピンの4カ国は2日(日本時間3日)、米ハワイで防衛相会談を開いた。4カ国の結束を強化し、力による一方的な現状変更や緊張を高める行為への反対を確認。南シナ海での中国によるフィリピン船への度重なる妨害に「深刻な懸念」を表明し、地域の安定に向けて共同訓練など海上での協力活動を推進する方針で一致した。中国の威圧的行動を抑止する狙いがある。
会談後、合意事項を盛り込んだ共同文書を発表した。共同記者会見で木原稔防衛相はインド太平洋地域の安全保障環境が厳しさを増しているとして「同盟国・同志国との協力を強めることが喫緊の課題」と指摘。自衛隊とフィリピン軍部隊の相互往来をスムーズにする「円滑化協定(RAA)」を早期に締結し、4カ国連携に生かしたいと述べた。
南シナ海では中国とフィリピンが領有権を争い、フィリピン軍の補給船や巡視船が中国船から放水砲を浴びるなど緊張が激化。フィリピンのテオドロ国防相は、領有権を巡り国際法の原則を支持するとし、4カ国の協力と連携を歓迎した。
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日米豪比、現状変更に反対 防衛相会談 中国妨害「深刻な懸念」
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琉球新報朝刊