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原発稼働 事故後最高 23年度28%、今後頭打ちか


原発稼働 事故後最高 23年度28%、今後頭打ちか 原発稼働率の推移
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 2023年度の国内の原発稼働率は28・9%だったとの調査結果を、日本原子力産業協会が3日までにまとめた。東京電力福島第1原発事故後で最高となった。関西電力高浜1、2号機(福井県)の再稼働や、司法判断などによる長期停止がなかったことが要因で、21年度の24・4%を上回った。過去最高は1998年度の84・2%。
 今年は東北電力女川2号機(宮城県)と中国電力島根2号機(島根県)が再稼働予定で、東電柏崎刈羽7号機(新潟県)も地元同意は得られていないものの燃料の装塡(そうてん)を終えており、稼働率は一定程度上昇するとみられる。しかしその後に再稼働の見通しが付いている原発はほとんどなく、稼働率は頭打ちとなる可能性が大きい。
 国内の原発は事故前54基から33基に減った。23年度はこのうち12基が稼働した。
 国内の稼働率は14年度に0%になった後に上昇していたが、20、22年度は裁判所の運転差し止め仮処分決定や、期限までにテロ対策設備が設置できなかった原発が停止したため下降した。
 最新のエネルギー基本計画では30年度の総発電電力量のうち原発で20~22%を賄うとしているが、国内の全33基で60%以上の稼働率が必須となる。岸田文雄首相は原発の最大限活用を表明したが、再稼働に大きな進展はない。