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北陸新幹線周辺 3月人出12.4%増 沿線外への人流課題に


北陸新幹線周辺 3月人出12.4%増 沿線外への人流課題に 北陸新幹線の金沢―敦賀間が開業し、福井市内を走行する「かがやき543号」=3月
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 3月16日に敦賀まで延伸した北陸新幹線に関し、新潟、富山、石川、福井の北陸4県にある計12駅周辺の3月の人出合計が前年同月比で12・4%増加したことが4日分かった。延伸当日に限れば前年の同じ日よりも95・3%増え、既存駅を含めた沿線に新たな人出を生んだことを示した。一方、能登半島地震などの影響で郊外の観光地は減少が目立っており、新幹線沿線以外の地域への人出拡大が課題となりそうだ。
 プライバシー保護された位置情報をNTTドコモが統計加工し、IT企業ロケーションマインド(東京)がデータを分析した。共同通信がさらに詳細に調べ、人出の合計や増減率などを算出した。駅周辺625メートル四方を計測し、観光名所は対象エリアをより広げた。
 前年同月比で最も増加率が高かった駅は、延伸後の終点となる敦賀駅(福井県敦賀市)で60・4%。次いで延伸区間に新設された越前たけふ駅(同県越前市)が50・5%だった。既存駅では、新高岡駅(富山県高岡市)が10・5%増、富山駅(富山市)が8・8%増だった。
 延伸当日では越前たけふ駅が21・6倍の人出を観測し、敦賀駅は5・6倍に膨らんだ。福井駅(福井市)は2・2倍。富山駅や金沢駅(金沢市)など既存の6駅合計でも31・4%増となり、延伸効果がにじんだ。特に当日に記念イベントがあった新高岡駅が倍増した。
 観光地は、福井県の永平寺周辺が3月全体で微増となり、3月16日に限れば77・4%増と大きく伸びた。一方、合掌造り集落で知られる富山県の五箇山地域は3月全体で前年同月比23・3%のマイナスとなった。「地震が起き、物見遊山は申し訳ないとキャンセルが増えた」と地元関係者。のとじま水族館(石川県七尾市)周辺は地震による臨時休業が響き、ほぼ人出が観測されなかった。