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後援会の資金透明化 自公一致、支出公開厳格に


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民、公明両党は8日、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた政治資金規正法改正の実務者協議で、支出公開基準の緩い「その他の政治団体」の資金の透明化を図る方向で一致した。支出公開の厳格化を想定する。自民の茂木敏充幹事長や棚橋泰文元国家公安委員長の後援会で多額の資金の使途が分からなくなり、問題視されていた。パーティー券購入者名の公開基準引き下げ、政策活動費の使途公開では折り合えず、9日午前に引き続き協議する。
 茂木氏らの例では、政党支部や資金管理団体に相当する「国会議員関係政治団体」から、「その他の政治団体」に当たる後援会に資金を移動。規正法上の支出公開規定の違いにより、政治資金の流れをチェックできなくなっていた。
 公明は既に、特定の国会議員関係政治団体から年間に一定以上の寄付を受けた団体について、寄付を受けた年と翌年に、国会議員関係政治団体と同等に支出を公開させる案を策定している。自公協議後、公明の中野洋昌氏は記者団に「お互い同じ方向で議論できている」と説明した。
 自民が先月まとめた案では「課題」と位置付け具体策を示さなかった。
 両党はパーティー券購入者の公開基準、使途の報告義務がない政策活動費の公開の在り方も併せて、週内の与党案合意を目指して作業を進める。
 パーティー券の購入者名の公開は現在「20万円超」が基準額となっている。公明は寄付の扱いと同額の「5万円超」への引き下げを主張。自民は資金集めへの影響を懸念する党内の声を踏まえ「10万円超」にとどめるよう求めているもようだ。
 政策活動費は自民も使途公開の方向へ転じた。公明は、政党から支出を受けた議員側が使途の明細書を作成する仕組みを提案している。一方自民は政党に対し、議員に支出した際、項目ごとに金額を公表させる案を想定。実際の使途の証明までは求めておらず、差が埋まっていない。