環境相、再懇談へ　マイク遮断　水俣病患者ら抗議

　伊藤信太郎環境相との懇談の際に、水俣病の被害者らのマイクが切られ発言が遮られた問題で、伊藤氏は９日、水俣病患者・被害者団体などの要望を受け、再び懇談すると表明した。参院環境委員会での発言。具体的な時期や方法は調整中としている。被害者側は改めて同省の対応を批判し、抗議の声が続いている。
　伊藤氏は委員会の冒頭、マイクを切った事務方の対応について「大変遺憾」とし、「発言された方に大変申し訳ない」と述べた。立憲民主党の川田龍平氏は「６８年間の思いを３分でまとめるというのが間違い。全面解決のために環境省一丸となってやってほしい」と追及。伊藤氏は「最終解決を目指して全力で進めたい。救済から漏れている人も、できる限りのことをしたい」と答弁した。
　立民が国会内で開いた環境省へのヒアリングでは、環境省の環境保健部長がマイクの音が切れたことを認識していなかったとし「ここまで大きな問題になるとは思っていなかった」と発言した。オンラインで参加した「水俣病不知火患者会」の岩崎明男会長は「人間の血が流れていない」と対応を批判し、救済に向けた話し合いを求めた。