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「つばさの党」家宅捜索 警視庁 衆院補選妨害疑い


「つばさの党」家宅捜索 警視庁 衆院補選妨害疑い 衆院東京15区補欠選挙を巡り、政治団体「つばさの党」の事務所を家宅捜索し段ボール箱を運び出す捜査関係者=13日午後1時34分、東京都千代田区
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の街頭演説を妨害したとして、警視庁捜査2課は13日、公選法違反(自由妨害)の疑いで、東京都千代田区にある政治団体「つばさの党」の事務所などを家宅捜索した。捜査関係者への取材で分かった。複数の陣営が警視庁に被害を訴えていた。候補者を出した陣営が他陣営への選挙妨害を巡り、強制捜査を受けるのは異例。立件に向け押収資料の分析を進める。
 他に家宅捜索したのは黒川敦彦代表(45)の埼玉県朝霞市の自宅と、同団体から出馬して落選した幹事長根本良輔元候補(29)の東京都練馬区の自宅。事務所が入る千代田区の建物周辺には盾を持った機動隊員が配置された。捜査関係者によると、パソコンや街宣車、拡声器などを押収した。
 黒川代表は13日、自宅付近で報道陣に「表現の自由の中で適法にやっている」と話し、今後も同様の活動を続ける意向を示した。根本元候補も取材に応じ「他の候補者がいる所での街宣を止める法律はない」と語った。
 黒川代表や根本元候補ら3人は補選期間中に他陣営の街頭演説に重ねるように拡声器などを使って大音量で主張を訴えた他、街宣車を車で追いかけて交通を妨げるなどして、選挙活動を妨害した疑いが持たれている。
 警視庁は、告示日の4月16日に亀戸駅(江東区)前であった無所属新人乙武洋匡氏(48)陣営の街頭演説中、近くで大音量の演説をするなどした行為が公選法に抵触するとして、同18日に3人に警告を出していた。
 警視庁は警告後も他陣営の妨害を繰り返した疑いがあるとみて捜査している。
 15区補選は9人が立候補する乱戦となり、立憲民主党の酒井菜摘氏(37)が4万9476票を獲得して当選。根本元候補は1110票で最下位だった。
 黒川代表は都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)に立候補すると表明している。