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政活費 明細報告なし 規正法自民案 きょう提出


政活費 明細報告なし 規正法自民案 きょう提出 自民党の政治資金規正法改正案ポイント
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた同党の政治資金規正法改正の条文案が16日、判明した。政策活動費の使途を9項目に分けて開示すると規定。公明党が主張する明細書の義務付けは見送った。政党から支給された政治家が使途の項目別金額を党に報告し、党が政治資金収支報告書で公表する。政治資金を監督する第三者機関は付則に「活用も含めて検討」と記載し、今後の課題と位置付けた。自民は党内了承手続きを経て17日に国会提出する。関係者が明らかにした。
 自民、立憲民主両党は衆院政治改革特別委員会の審議を22日に開始する日程に大筋合意した。法案提出者や参考人への質疑を27日までの平日に連日開催する方向。岸田政権内には月内の衆院通過を目指す考えがあり、自民は特別委と並行して実務者らによる修正協議も想定しているもようだ。
 政策活動費には使途の報告義務がなく、自民が党幹部に年間10億円前後支出するなど問題視される。野党は廃止や使途公開を主張している。自民の改正案は1件50万円を超える支出を対象に、総務省令に基づき「組織活動費」「選挙関係費」など9項目に分類して報告を求めるとした。
 立民の安住淳国対委員長は記者団に「改革の名に値しない不十分な案だ。国会で浮き彫りにしたい」と批判した。
 自民案の第三者機関は、自公協議の中で公明が外部監査の強化策として検討条項を設けるよう求めていた。立民も政治資金の調査を担う第三者機関を唱えている。
 自民は16日の党総務部会などの合同会議で改正案を大筋了承した。収支報告書への不記載があった相当額を「没収」するとした自公の大筋合意案を、改正案では「国庫に納付」できると修正しており、自民の政調審議会では異論が上がって了承を見送った。法令上「寄付」と見なすための措置といい、再調整して17日の了承を目指す。
 改正案は他に、収支報告書の「確認書」交付を国会議員に義務付けた。不記載があり確認不十分だった場合、公民権停止につながる50万円以下の罰金を科すとした。大筋合意案では「刑罰を科す」となっていた。収支報告書のオンライン提出、インターネット上の公表なども盛り込んだ。
 公明は独自法案を作成しない。山口那津男代表は党会合で「特別委で活発に議論し、国会の合意を形成したい」と述べた。