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次期最高指導体制に影響 慶応大大学院教授 田中浩一郎氏


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 (死亡した)ライシ大統領は、イラン最高指導者の最有力の後継候補とみられていた。これにより、今後の最高指導者の後継体制が中東情勢にとって一番大きな意味を持つ。最高指導者ハメネイ師は息子を後継にしたいと考えているともされ、イランの方向性が、さらに曖昧模糊(もこ)とするのは必至だ。
 イランは米国との対立など、さまざまな課題を抱えているが、ライシ師は大統領としてのリーダーシップを十分に発揮しておらず、成果は生んでいなかった。それは自分が次期最高指導者になるという野望を達成するため、慎重に行動し、失点を少なくしておきたいとの考えがあったのだろう。私は「目立たないように努めていた」という意味で「ステルス大統領」と呼んでいる。