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50日以内に大統領選


50日以内に大統領選 イスラム共和制の仕組み(写真はAP)
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 イランのライシ大統領が死亡し、最高指導者ハメネイ師は20日、憲法の規定に基づき、モフベル第1副大統領を大統領代行に任命した。大統領選挙が50日以内に実施される見通し。イランは政教一致のイスラム共和制を掲げる。シーア派最高権威である最高指導者が国政全般の決定権を握る。
 大統領は任期が4年で、本来であれば来年が選挙実施の予定だった。ハメネイ師が優遇するライシ師が再選を目指して出馬すると目されていた。
 イランでは大統領は直接選挙で選ばれるが、その権限は行政権を担うにとどまる。最高指導者であるハメネイ師が司法、立法、行政の上に立ち、監督・指導する役割を担う。国軍と革命防衛隊の最高司令官も務める。
 2021年の大統領選や24年の国会選挙では、ハメネイ師の影響下にある護憲評議会が立候補者を事前審査し、国際協調を重視する穏健派や改革派を相次ぎ失格にした。
 ライシ師の後継を選ぶ大統領選でも保守強硬派に有利な審査が実施され、穏健派や改革派が排除される可能性が高い。欧米と対立を深める路線は変わらないとみられる。保守強硬派からは、国会のガリバフ議長やモフベル氏が出馬する可能性がある。(テヘラン共同)