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7月に日比2プラス2 対中連携、共同訓練推進


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政府は、フィリピンとの外務・防衛閣僚協議(2プラス2)を7月上旬にマニラで開催する方向で調整に入った。南シナ海で威圧的行動を繰り返す中国を念頭に連携を強化。自衛隊とフィリピン軍の相互往来をスムーズにする「円滑化協定(RAA)」締結交渉を加速させ、共同訓練を推進する。複数の政府関係者が21日、明らかにした。インドでの日印2プラス2開催も検討している。
 日本から上川陽子外相と木原稔防衛相が現地を訪れる予定。6月23日に会期末を迎える今国会の会期延長の有無などを見極めて最終判断する。
 日比2プラス2は2022年4月の初開催以来で、フィリピン側はマナロ外相とテオドロ国防相が出席。中国とフィリピンの緊張が激化している南シナ海情勢を踏まえ、力による一方的な現状変更に改めて反対し、自由で開かれたインド太平洋の重要性を確認する。米国、オーストラリアを含む多国間の防衛協力推進でも一致する見通しだ。
 14年に制定した防衛装備移転三原則の下で初の完成品輸出となった防空レーダーに続き、フィリピンへのさらなる装備品輸出も協議する。
 インドとの2プラス2が実現すれば22年9月以来。海洋安全保障やサイバー防衛などで協力を強化し、海上自衛隊の新型護衛艦に搭載されている通信アンテナの輸出などを議論するとみられる。