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イスラエルが攻撃継続 司法裁に反発、仮処分無視


イスラエルが攻撃継続 司法裁に反発、仮処分無視 ガザ地区北部ガザ市で、イスラエル軍の攻撃により破壊された建物を捜索する人々=24日(ゲッティ=共同)
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 【エルサレム共同】イスラエルの戦時内閣に加わるガンツ前国防相は24日、国際司法裁判所(ICJ)がパレスチナ自治区ガザ最南部ラファへの攻撃の即時停止を命じる仮処分(暫定措置)を出したことに対し「人質を奪還し、国民の安全を確保するために戦う義務がある」と反発した。
 昨年10月に始まったガザでの戦闘を巡り、ICJが攻撃停止に踏み込んだのは初めて。ICJに攻撃をやめさせる執行手段はないが、イスラエルへの国際的圧力が強まるのは必至。イスラエル軍は仮処分後もラファ攻撃を続けた。
 ロイター通信は25日、人質解放などを巡るイスラエルとイスラム組織ハマスの間接交渉が26日からの週に再開する見通しとなったと報じた。交渉は停滞している。
 イスラエルのハネグビ国家安全保障顧問は声明で、ラファで民間人に危害を加えるような軍事活動は行っていないと強調。ハマスは仮処分を歓迎し、ガザ全域で侵攻と虐殺を止める命令を出すよう期待するとの声明を出した。
 ブリンケン米国務長官は24日、ガンツ氏と電話会談し、ラファへの本格侵攻に反対する米国の立場を改めて表明した。国務省の発表は、ICJの判断に対する米側の評価を明らかにしなかった。
 仮処分は南アフリカが10日に申し立てた。ICJは講じた措置の1カ月以内の報告、ガザへの調査団の自由な立ち入りの確保、人道支援物資を供給するためエジプト境界のラファ検問所の開放維持も命じた。ラファの「人道状況が悪化している」とし、イスラエルのラファでの対応が十分ではないとの認識を示した。