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首相「6月解散考えず」 裏金逆風 自民に危機感


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 岸田文雄首相は27日、静岡県知事選での自民党推薦候補敗北を踏まえ、今国会会期末(6月23日)に衆院を解散する可能性を記者団に問われ「政治改革や先送りできない課題に専念し、結果を出すことに全力を挙げている。それ以外は考えていない」と述べた。与野党対決の構図となった同知事選は立憲民主、国民民主両党推薦の元浜松市長が勝利し、派閥の政治資金パーティー裏金事件に端を発する逆風に自民内で危機感が強まっていた。
 4月の衆院3補欠選挙全敗に次ぐ連敗に首相の求心力低下を懸念する声も上がる中、今国会での政治資金規正法改正実現に重ねて意欲を示した格好だ。与野党は28日に修正協議入りする。
 首相の「お膝元」広島県府中町長選でも26日に与党推薦候補が落選。閣僚経験者は「連敗が止まらないのは痛い。岸田首相では『選挙の顔にならない』との党内の不満が表面化するかもしれない」と予測。党幹部は「当面解散の話なんてできない」と言い切る。早期に衆院解散し勝利できなければ、秋の党総裁選で再選できる保証はない。
 石破茂元幹事長は静岡知事選に関し「知名度不足の中、最大限善戦した」と述べ、政権運営への影響を否定した。首相は「党として選挙結果をしっかり分析し、政治改革をはじめ国政を前に進めていく際に生かしていきたい」と述べた。
 立民は27日の執行役員会で元浜松市長が当選したと報告。大串博志選対委員長は取材に「次期衆院選で政権批判票の受け皿になれるよう準備を進める」と意気込んだ。