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裏金寄付し税控除 処分の菅家氏、自民支部に


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 自民党安倍派の政治資金パーティー裏金事件で、5年間で計1289万円の政治資金収支報告書への不記載があったとして処分を受けた菅家一郎(かんけいちろう)衆院議員(衆院比例東北ブロック)が、代表を務めていた党支部などに不記載分を全額寄付し、所得税の一部が控除されていたことが27日、分かった。自民党幹部は「悪質だ」と指摘し、党として聴取を行い、追加処分の可能性に言及した。
 菅家氏は同日、衆院議員会館で記者会見。税控除については法にのっとっていて合法だったとしたが、「誤解を与える要素がないわけではないので、政治家の寄付控除の在り方は議論が必要」と話した。控除額の詳細は税理士に任せていて不明とし、事務所の運営経費に充てたと説明。裏金事件発覚後の今年1月に控除分約148万円を全額国庫に返納したとしている。議員辞職や離党は否定した。
 林芳正官房長官は27日の記者会見で「適正な申告を行うことが必要だ」と指摘した。
 菅家氏が当時代表だった「自民党福島県第4選挙区支部」の政治資金収支報告書によると、2021年2~9月に計4回に分けて、菅家氏が計約1201万円を同支部に寄付したと記載。裏金事件発覚後に、菅家氏の寄付の一部を訂正し、「清和政策研究会(安倍派)」の寄付が21年に574万円、20年に104万円あったとした。
 租税特別措置法では、個人が政党や政党支部に寄付した場合、寄付額の約3割を控除か、課税対象の所得総額から寄付分が差し引かれる。