【エルサレム共同=岡田隆司、平野雄吾】パレスチナ自治区ガザ最南部ラファ中心部に28日、イスラエル軍の戦車が初めて到達した。ロイター通信が目撃者の話として報じた。国際司法裁判所(ICJ)は24日、イスラエルにラファ攻撃の即時停止を命じ、26日にはテント暮らしの避難民多数を巻き込むラファ空爆で国際社会の非難を浴びたが、イスラエルは攻撃続行の姿勢を鮮明にした。
バイデン米政権はイスラエルにラファ本格侵攻の回避を求めてきたが、今回の進軍に伴う被害状況は分かっていない。
イスラエル紙ハーレツによると、イスラム組織ハマスは27日、戦闘休止を巡るイスラエルとの間接交渉に参加しないと仲介国に伝えた。ラファ空爆を受けた措置。週内再開の見通しだった間接交渉は不透明感が増した。
イスラエルのネタニヤフ首相は27日、ラファ空爆について国会で「悲劇的ミス」と釈明。調査を約束する一方で戦闘継続を強調していた。
AP通信によると、ガザの救急当局者は28日、ラファに対するイスラエル軍の新たな攻撃で少なくとも16人が死亡したと述べた。
国連安全保障理事会は27日、ラファ空爆を協議する非公開の緊急会合を28日午後(日本時間29日午前)に開くと決めた。安保理筋が明かした。
ハマスの政治部門幹部は27日の記者会見で「われわれは戦闘終結を求めている。仲介国に提示された条件をのまなければ、イスラエルは人質を取り戻せないだろう」と圧力をかけた。
軍は26日夜にラファを空爆。米ABCテレビは27日、避難民密集地に近い燃料タンクが空爆の破片などにより発火し、民間人を巻き込む大規模な火災が起きたとする情報をイスラエルが米政府に伝えたと報じた。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は28日、ラファから退避した市民が約100万人に達したと発表した。ガザ保健当局は28日、昨年10月の戦闘開始以降のガザ側死者が3万6096人になったと発表した。
有料
ラファ中心部に戦車到達 イスラエル 攻撃続行鮮明 ハマス、間接交渉参加せず
![ラファ中心部に戦車到達 イスラエル 攻撃続行鮮明 ハマス、間接交渉参加せず](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/2024/05/RS20240528G00524010100-scaled.jpg?resize=615%2C410&crop_strategy=smart)
この記事を書いた人
琉球新報朝刊
![Avatar photo](https://ryukyushimpo.jp/uploads/2023/09/favicon-21x21.png)