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月内の衆院通過断念 規正法、自公調整が難航


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党は30日、派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた政治資金規正法改正案の月内衆院通過を断念した。衆院の政治改革特別委員会の理事懇談会で自民が再修正案を提示せず、与野党は特別委の31日開催で一致できなかった。採決は来週に持ち越した。
 自民と公明党はパーティー券購入者名の公開基準額の引き下げで調整が難航している。政策活動費の使途公開の在り方についても自民がどこまで踏み込むのかが焦点となる。
 立憲民主など野党4党は(1)企業・団体献金禁止(2)連座制導入(3)政策活動費の廃止か領収書全面公開―の3点を自民に求めている。30日の理事懇で、与党筆頭理事を務める自民の大野敬太郎氏は政策活動費に関し「改善の余地がある」と伝えたが、休憩を挟み再開した際も党内調整がついていないとの理由で提示に至らなかった。31日午前の理事懇で示すとしている。一方で大野氏は、企業・団体献金の禁止を否定。連座制も政治資金収支報告書の「確認書」交付義務にとどめる自民案を譲らない考えも伝えた。
 現状は使途報告義務がない政策活動費を巡って、自民は29日、党から支給された議員による支出「年月」と項目を開示させる修正案を与野党に提案した。自公間には「月日」まで開示する案があるほか、日本維新の会は領収書を10年後に公開する新制度を唱えている。維新の馬場伸幸代表は30日の記者会見で「維新案をのむなら協議はやぶさかでない」と言及した。
 パーティー券公開基準について、自民は現行の「20万円超」から「10万円超」へ引き下げるとしている。公明党の山口那津男代表は30日の党中央幹事会で、寄付の基準額に合わせた「5万円超」の主張を「変えるつもりはない」と明言。自民の修正案に関し「そのまま賛同できない。透明化を図る思い切った決断を求めたい」とも訴えた。
 与野党は30日の衆院議院運営委員会理事会で、次回本会議の31日開催を見送り、6月4日とする日程で合意。自民は同日の衆院通過を目指す。