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敷地内活断層否定できず 敦賀原発 審査継続、廃炉可能性も


敷地内活断層否定できず 敦賀原発 審査継続、廃炉可能性も 敦賀原発敷地内の断層(イメージ)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 原子力規制委員会は31日、日本原子力発電が再稼働を目指している敦賀原発2号機(福井県)の審査会合を開き、敷地内にある断層について「活動性を否定することは困難」と結論付けた。今後の審査で、この断層が原子炉直下の断層と一体で動くと判断されれば、再稼働は認められず廃炉となる可能性がある。
 焦点となっていたのは、原子炉建屋から約300メートル北にある「K断層」。東京電力福島第1原発を教訓に策定された新規制基準では、約12万~13万年前以降に活動した断層を活断層と定義。その上で、原子炉など重要施設の直下に活断層があれば運転できないとしている。原電はこの日の会合で火山灰などの堆積状況から、断層周辺は古い地層が堆積しているとして活動性を否定したが、規制委は地層の年代は新しいと判断し、原電の主張を退けた。
 原電が主張の根拠とした学術論文について「(論文の内容を)いいとこ取りしている。根拠となるかどうか判断しかねる」とも指摘した。
 規制委は6月6、7日に敦賀2号機を現地調査し、K断層と原子炉建屋直下を走る「D―1断層」の状況を確認する。得られたデータを基に審査を継続する。
 原電の剣田裕史副社長は会合後、取材に応じ「(規制委の見解を)当社で吟味したい。現地調査も含め丁寧に説明していく」と述べた。敦賀2号機は福島第1原発事故後の2011年5月以降停止している。原電は15年11月に審査を申請したが、資料の不備や原電によるデータの書き換えが発覚し、約2年間中断した。