有料

今も3千人超が避難 地震5カ月、犠牲260人に


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 石川県を中心に甚大な被害をもたらした能登半島地震の発生から1日で5カ月となった。石川県では、なお3319人が避難を続ける。死者は260人に上り、避難中に体調を崩したことなどによる「災害関連死」30人を含む。
 1736人が学校や公民館などの1次避難所に身を寄せ、1530人は被災地から離れたホテルや旅館などへ2次避難する。仮設住宅は5月末時点で、必要数の67%に当たる4443戸が完成。県は8月中に希望者全員の入居を目指す。一方、輪島市の仮設住宅では70代女性の孤独死が判明した。仮設住宅に入る避難者の増加に伴い、見守り体制の拡充も急がれる。
 県と市町は5月から月1回のペースで、災害関連死に当たるかどうかの合同審査を実施。認定申請は相次いでおり、犠牲者はさらに増える可能性がある。
 断水は最大約11万戸に上ったが、5月末時点で早期復旧が困難な輪島、珠洲両市の計1821戸を除いて解消した。
 石川県は、県内で約2万2500棟の公費解体を想定。1万6240棟の申請を受け付けた。解体に取りかかったのが1084棟で、うち383棟が完了している。
 道路は半島全体で土砂崩れや路面損壊が生じ、国や県が復旧工事を進める。国交省によると約9割の主要な幹線道路は通行可能になった。北部沿岸部などには通行できない箇所があり、本格復旧には数年かかる見込み。