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能登地震 県外避難1268人 4月時点 沖縄、累計2番目573人


能登地震 県外避難1268人 4月時点 沖縄、累計2番目573人 能登半島地震で石川県外に避難した人数が多い自治体
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 能登半島地震により、石川県から県外に避難した人が4月1日時点で少なくとも38都道府県で1268人に上ることが2日、共同通信の都道府県・政令指定都市調査で分かった。戻った人も含めると最大で2861人が県外に滞在していた。自治体がつかんでいない県外避難者も相当数いるとみられ、実態把握や被災地の情報提供などの支援が課題になっている。
 被災地に戻る動きも出ているが、水道が完全には復旧せず、仮設住宅の必要戸数が整備されていない事情が帰還をためらわせている面もある。
 大規模災害で、地元を離れる広域避難は1995年の阪神大震災や2011年の東日本大震災などでも相次ぎ、国内各地に分散。復旧や生活関連の重要な情報が届きにくい状況が続いてきた。
 今回の調査は4~5月に実施。石川県以外の46都道府県、20政令指定都市全てから回答を得た。
 4月1日時点で避難者の数が最も多いのは富山県の398人。次いで愛知県134人、大阪府109人だった(ともに政令市の分を含む)。合計の1268人は、輪島市など被害が大きい6市町の人口の1%に当たる。
 一方、戻った人を含む累計の避難者が多いのは富山県926人、沖縄県573人、福井県411人―の順だった。近隣県や、往復の航空運賃などを負担した沖縄県のように手厚い支援をした自治体が多い傾向があった。
 避難先として最も多いのが都道府県や市町村の公営住宅で全体の41%。ホテルや旅館などの宿泊施設と、老人ホーム・介護施設がともに16%、親戚・知人宅や実家が7%、病院が6%と続いた。
 高齢者施設や病院が比較的多いのは、被災した高齢者施設の入所者受け入れを石川県が富山、福井、岐阜、愛知などの周辺県に要請した背景がある。愛知県によると、自衛隊ヘリで運ばれるなどした68人を医療機関に搬送。健康状態を確認、愛知県内の施設に移した。
 被災地を離れた避難者が多いため、石川県は「被災者データベース」を構築。被害が大きい6市町の住民を対象に、県と市町がそれぞれ持つ避難者名簿などを合わせ、所在把握を進めている。