政府は3日、国の科学技術政策の指針を示す2024年度の「統合イノベーション戦略」を策定した。人工知能(AI)の発展によって偽情報の拡散や犯罪の恐れもあるため、法規制の検討を本格化させ、安全性を確保した上で社会での活用を加速させる。国際社会との連携も強化する。
国内で人手不足が深刻化する中、AI・ロボティクスによる自動化・省力化は急務で、災害への備えや対応も喫緊の課題だと指摘。これらに科学技術が果たす役割は重要になっているため、社会実装を加速するとした。
日本では事業者に偽情報対策など自主的な取り組みを求める指針があるが、欧州連合(EU)で世界初の包括的なAI規制法が成立したことも踏まえ、海外動向を注視しながら国内制度を設計する。今夏にも政府のAI戦略会議の下に有識者会議「AI制度研究会(仮称)」を新たに設置し、差別や偏見を助長したり、悪用されたりする恐れがあるAIの規制を検討する。
医療や自動運転、金融などは社会への影響が大きい重要な分野のため、技術の進展や利用状況を踏まえて、規制を見直していく。
生成AIが、実在しない事柄を事実のように回答し、その情報がインターネット上で拡散するのを防止する技術を開発する。またAI生成コンテンツを判別する技術を開発し、交流サイト(SNS)上の成り済まし型偽広告の対策も進める。
AI以外では、核融合、量子技術、バイオ分野を中心に研究支援や人材の育成を進める。量子技術やロボットにおけるAIの活用など分野を超えた統合的な技術開発を推し進める方針を明確化した。10兆円規模の基金で世界水準の研究成果を目指す「国際卓越研究大学」制度での研究力強化も目指す。3日開かれた政府の総合科学技術・イノベーション会議(議長・岸田文雄首相)で議論した。策定した戦略は4日に閣議決定する。
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AI法規制検討 本格化 政府 安全性確保、活用加速へ
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琉球新報朝刊
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