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性犯罪歴確認範囲で論戦 DBS法案 野党「ストーカーも」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴を雇用主側が確認する「日本版DBS」創設法案は、7日の参院本会議で審議入りした。保育所や学校などに義務付ける。性犯罪歴がある人は刑終了から最長20年採用されないなど就業を制限される。
 野党がストーカー規制法違反などを確認対象の犯罪に含めるよう要求したのに対し、加藤鮎子こども政策担当相は範囲拡大に慎重な姿勢を示した。
 相次ぐ子どもの性被害の根絶につながるかどうかが焦点。職業選択の自由や加害者更生との兼ね合いも問われる。
 法案はストーカー規制法違反や下着窃盗を対象外としており、野党は「子どもたちを守れるのか懸念が拭えない」「大きな穴だ」と批判。加藤氏は「性的動機で尊厳を傷つける行為を広く対象にしたい思いはある」としつつ「対象行為だと誰が判断し、判断の正しさをどのように担保するかなどさまざまな課題がある」と理解を求めた。
 性犯罪歴確認は、行政の監督の仕組みがある学校や幼稚園などに義務化。学習塾や放課後児童クラブなどは任意の「認定制」とする。
 国の認定を受けた事業者は確認の義務を負い、広告表示が可能となる。フリーランスの家庭教師ら雇用関係のない個人事業主は今回の枠組みから外れる。
 対象は有罪判決が確定した「前科」に限定。刑法犯のほか、痴漢など自治体の条例違反も含む。照会期間は拘禁刑(懲役刑と禁錮刑を2025年に一本化)で刑終了から20年、罰金刑は10年。
 法案は先月衆院を全会一致で通過した。