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イスラエル 人質4人救出 ガザ、作戦で住民ら100人死亡 ラファ西端に戦車進軍


イスラエル 人質4人救出 ガザ、作戦で住民ら100人死亡 ラファ西端に戦車進軍 8日、イスラエル軍が人質救出を発表した後、ポーズを取る人質(中央)=イスラエル中部ラマトガン(ロイター=共同)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【エルサレム共同】イスラエル軍は8日、パレスチナ自治区ガザ中部ヌセイラトでイスラム組織ハマスに拘束されていた人質4人を救出したと発表した。いずれも健康状態に問題はなく、イスラエルの病院に搬送されたとしている。軍が作戦で人質を奪還したのは2月以来。救出された人質は計7人になった。ガザ中部のアルアクサ殉教者病院幹部は共同通信の電話取材に、奪還作戦で住民ら100人以上が死亡したと明らかにした。 (1面に関連)
 イスラエルのネタニヤフ首相は声明を出し「テロに屈しないと証明した。全ての人質を取り戻すまで作戦を続ける」と強調した。8カ月以上に及ぶ戦闘の終結に向けた国際的な圧力が高まる中、イスラエルが戦果を誇示し、さらに攻勢を強める恐れがある。ハマスのハニヤ最高指導者は8日、奪還作戦で多数が死亡したことを巡り「ガザ住民の安全が確保されなければ停戦案への合意はない」との声明を発表した。
 人質の家族会によると、救出されたのは22~41歳の男性3人、女性1人。いずれも昨年10月7日、来場者ら約360人が犠牲になったイスラエル南部レイムでの野外音楽フェスティバルでハマス戦闘員に拘束された。
 ロイター通信は7日、軍が地上作戦を進めるガザ最南部ラファで、西端の地中海沿いの地域に戦車が進軍したと報じた。ガザ保健当局は8日、ガザ側死者は3万6801人になったと発表した。
 米紙ワシントン・ポストは7日、40人が死亡した6日のヌセイラトの学校空爆で、米国製の精密誘導爆弾が使われたとみられると報じた。武器供給を続ける米政権への批判が高まりそうだ。
 米CNNテレビは7日、イスラエルのネタニヤフ首相がガザの戦後統治計画を明確に示さない可能性があるとする米中央情報局(CIA)の分析を伝えた。米政権は戦後方針の欠如による戦闘の泥沼化を懸念している。
米中央軍は7日、米軍がガザに設置した浮桟橋が復旧し、物資輸送が可能になったと発表。5月に悪天候で一部が損傷し、輸送が中断していた。