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難民申請中も送還可能 改正入管法が施行


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 外国人の収容や送還のルールを見直す改正入管難民法が10日、施行された。難民認定申請中は強制送還しないとする従来の規定を改めた。入管当局は、送還を逃れる目的で申請を繰り返す例が多数あったとみており、乱用を防ぐのが狙い。今後、3回目以降の申請者は「難民認定すべき相当の理由」を示さなければ送還される可能性がある。
 日本の難民認定率は欧米の先進諸国と比べて著しく低く、見直しを求める声が根強い。昨年の国会審議では、認定制度を改めることなく送還を進めれば、本国で迫害を受ける恐れがある人を帰す懸念があるとして立憲民主党など野党が反対した。
 このほか、入管施設の長期収容を解消するため「監理措置」を導入。施設に収容せず、親族や知人、支援者らの監督下で暮らせるようにする。収容する場合は、3カ月ごとに必要性を見直す。
 難民認定基準に満たなくても、紛争地域の住民らを難民に準じる「補完的保護対象者」として在留を許可する制度も昨年12月に始まり、ウクライナ避難民らが認定された。
 小泉龍司法相は7日の閣議後記者会見で「ルールに違反した人は厳正に対処し、保護すべき人については確実に保護する。共生社会を実現する重要な改正だ」と述べた。