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不明7人 死亡と判断 海自ヘリ墜落 死者8人に


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 伊豆諸島の鳥島東方海域で4月、海上自衛隊のSH60K哨戒ヘリコプター2機が衝突し墜落した事故で、海自は11日、行方不明となっている隊員7人に関し、死亡と判断したと発表した。死者は計8人となった。
 海自によると、1995年に神奈川県沖の相模湾でMH53E掃海ヘリが墜落し8人が死亡した事故と並び、海自のヘリ事故では過去最悪の犠牲者数となった。
 木原稔防衛相は11日の閣議後記者会見で「懸命な捜索活動を行ってきたが残念。ご家族のことを思うと断腸の思いだ」と述べ、隊員や機体の捜索は継続するとした。
 海自トップの酒井良海上幕僚長は11日の記者会見で「航空安全に万全を期す。現在実施中の事故調査に基づき、再発防止策を徹底していく」と強調した。海自は8人が事故当時21~47歳だったと明らかにした。
 事故は4月20日深夜、対潜水艦戦訓練中に発生した。小松島航空基地(徳島県)と大村航空基地(長崎県)にそれぞれ所属するヘリが飛行中に衝突し、墜落。2機の搭乗者計8人のうち、1人を救助したが死亡を確認した。
 海自は4月20日付で8人を1階級ずつ特別昇任させる手続きを進めている。6月22日に大村で、同30日に小松島で葬送式を行う。
 機体の主要部分は水深約5500メートルの海底に沈んでいる可能性が高い。海自は2機のフライトレコーダーの記録や海洋観測艦「しょうなん」が収集したデータを解析するなどして、事故原因の特定を進めている。