有料

男女賃金差 公表拡大へ 女性版骨太方針決定 「100人超」企業を検討


男女賃金差 公表拡大へ 女性版骨太方針決定 「100人超」企業を検討 政府の「女性版骨太の方針2024」ポイント
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政府は11日「すべての女性が輝く社会づくり本部」などの会議を首相官邸で開き、女性活躍や男女共同参画の重点方針「女性版骨太の方針2024」を決定した。男女の賃金格差の公表を義務付ける企業について、現行の従業員300人超から100人超への拡大を検討すると明記した。生理に伴う体調不良など働く女性の健康への配慮や支援も企業に促す。
 岸田文雄首相は会議で「政府を挙げて取り組みを進める」と述べた。女性が働きやすい社会の実現に向け、25年の通常国会へ女性活躍推進法の改正案提出を目指す。
 厚生労働省によると、現在、賃金格差の公表義務がある300人超の企業は約1万7800社。100人超に見直すと、新たに約3万2900社が加わり計約5万700社が義務の対象となる。
 男女の賃金格差は、厚労省の23年の賃金構造基本統計調査によると、フルタイムで働く男性の平均給与が月35万900円なのに対し、女性は月26万2600円で男性の74・8%にとどまる。勤続年数や管理職登用などに男女差があることが背景とみられる。
 重点方針は、各企業に賃金格差の詳しい実態や原因を分析するよう求めた。省庁が所管業界の状況を把握し、業界ごとの行動計画を策定する。政府は東京証券取引所の「プライム市場」の上場企業の女性役員比率を25年までに19%、30年までに30%以上にすると掲げる。目標達成に向け、役員に占める女性割合や登用目標の設定に関する調査を企業に行う。
 ホルモンバランスの変化による更年期障害など女性特有の症状で、仕事のパフォーマンスの低下や欠勤せざるを得ない人も多い。健康課題への取り組みを促進する。
 能登半島地震などを踏まえ、災害時の避難所で女性のニーズに対応できるよう女性職員の配置も進める。