有料

与那国島で新レーダーを研究・開発 水平線の先まで監視可能に 防衛装備庁 29年度以降に設置も 沖縄


与那国島で新レーダーを研究・開発 水平線の先まで監視可能に 防衛装備庁 29年度以降に設置も 沖縄 与那国島
この記事を書いた人 Avatar photo 明 真南斗

 【東京】防衛装備庁は本年度、水平線の先を観測できる「OTHレーダー」導入に向けて研究・開発を本格化させる。与那国町の与那国海洋観測施設で試作品を設置して研究する予定。2028年度まで研究を続ける。29年度以降に装備として導入する場合、与那国町に設置する可能性もある。

 装備庁によると、与那国に設置する予定の試作品は長さ約500メートル、幅約60メートルを見込む。製作に約56億円を要する計画。

 自衛隊がこれまで使っているレーダーはおおむね直線に進むため、地球が丸くなっている影響で水平線の先を捕捉できない。一般的に高さ数十メートルの場所に設置した場合、約30キロ先が水平線となる。

 「OTHレーダー」は地球の丸みに対応して海面に沿って進んでいくため、水平線を越えることができる。一般的に200~300キロ先まで観測できるとされる。

 装備庁によると、15年に国立研究法人から移管を受けた研究用の「OTHレーダー」がある。今回の試作品で精度の向上と小型化を目指す。

(明真南斗)