有料

育成就労で外国人材確保 改正入管法などきょう成立


育成就労で外国人材確保 改正入管法などきょう成立 育成就労制度のポイント
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 参院法務委員会は13日、技能実習に代わる外国人材受け入れ新制度「育成就労」を創設する入管難民法や技能実習適正化法の改正案を自民、公明、日本維新の会、国民民主各党などの賛成多数で可決した。立憲民主党と共産党は反対した。14日の本会議で成立する。途上国に技術を伝える「国際貢献」を掲げた技能実習を廃止。深刻な労働力不足を受け人材確保を目的に明記した。公布後3年以内に施行される。
 育成就労では、外国人の未熟練労働者を原則3年間で、即戦力とされる「特定技能1号」水準に育成。受け入れ対象分野をそろえて特定技能と一体的に運用し、長期就労を促す。熟練した技能を要する「特定技能2号」に移行すれば、事実上永住も可能になる。
 技能実習では原則職場の変更が認められず、劣悪な就労環境から逃れようと失踪者が相次いだことから、同じ業務分野で職場を変える「転籍」を一定条件で認める。悪質ブローカー排除のため、手続きへの民間業者の関与を禁じ、不法就労者の雇用やあっせんを取り締まる「不法就労助長罪」の法定刑も引き上げる。
 技能実習で受け入れ仲介を担う監理団体は「監理支援機関」とし、外部監査人の設置を義務付ける。受け入れ先などを監督する外国人技能実習機構も「外国人育成就労機構」に改めた。将来的な永住者増加も見込まれ、納税などを故意に怠った場合は永住許可を取り消し、別の在留資格に切り替える規定も設けた。
 採決前の質疑で、立憲民主党の石川大我氏は「永住者の人生を左右する。当事者に会って説明すべきだ」と反対。小泉龍司法相は「悪質なケースを前提としておりほとんどの方は心配ない」と理解を求めた。参院法務委は付帯決議も採択。外国人労働者に対する人権侵害の実態把握に努めることなどを求めた。