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自治の力 衰退を危惧


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 土山希美枝法政大教授(地方自治)の話 指示権創設の議論には、国が自治体より的確に状況を把握し、指示を出せるという前提があるが、本当にそうか。想定外の事態こそ、現場の知恵と裁量で対応されてきた。問題は、国が自治体を、非常時には指示を与える必要があると評価している点と、それにあらがわない地方の意識だ。現場で議論しながら難題に対峙(たいじ)するよりも、国の指示を待つ、あるいは国の指示に翻弄(ほんろう)される状況が起こりかねない。自治の前提やその力の衰退を進めることが危惧される。