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PFAS許容据え置き 食品安全委 欧州より高く


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 内閣府の食品安全委員会作業部会は20日、発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)の健康影響評価書案を取りまとめた。人が1日に摂取する許容量は代表的なPFOAとPFOSでそれぞれ体重1キロ当たり20ナノグラム(ナノは10億分の1)とし、現行の水準に据え置いた。英国や欧州に比べて高い水準。
 評価書案に対するパブリックコメント(意見公募)には4千件近い意見が寄せられ「国際基準かそれ以下に下げるべきだ」などと厳しい指摘が相次いだ。
 環境省によると、英国の許容量は成人でそれぞれ3・3ナノグラム。欧州食品安全機関(EFSA)は他の2種類も加えたPFAS4種類の合計で、7日間の摂取許容量として4・4ナノグラムとしている。
 評価書案は今後、食品安全委が正式決定。環境省は水道水や河川など環境中の水質暫定目標値の見直し作業で参照する。
 評価書案は摂取許容量について、国内外の研究をもとに検討。発がん性についてはPFOAで腎臓がんや乳がんとの関連が見られたとする報告があるものの「証拠は限定的」とした。