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DNA申請、身元判明なし 遺骨収集


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 県のまとめによると、2023年度の沖縄戦戦没者の遺骨収集数は60体分(暫定値)だった。収集対象となっている18万8136体のうち、24年3月末までに18万5523体が収骨されたが、2613体が残されている。
 収骨された遺骨は、国によって鑑定作業が進められる。厚生労働省では、遺留品などの手がかり情報がない場合でも公募によるDNA鑑定の申請を受け付けている。
 厚労省社会・援護局事業課によると、17年度から23年度末までに沖縄で戦没した遺骨のDNA鑑定申請件数(公募)は1585件だった。
 このうち、23年度に申請があったのは94件。作業が続いているが、現時点で身元が分かったケースはない。県保護・援護課の担当者は「戦後79年が経過していることや沖縄の高温多湿な環境も遺骨の状態に影響している」と話す。
 県は、国から委託を受けて遺骨収集事業を実施。費用は全額国庫で負担され、本年度は約2970万円を収集事業やボランティアへの支援費などに充てている。 (與那原采恵)