有料

菅氏、事実上の退陣要求 「このままでは政権交代」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 菅義偉前首相は23日公開のインターネット番組で、自民党派閥の裏金事件による国民の政治不信は責任を取っていない岸田文雄首相に一因があるとの考えを示した。「このままでは政権交代してしまうとの危機感を持つ人は増えている」と述べ、9月の総裁選では新たなリーダーが出てくるべきだとの認識も表明した。事実上の退陣要求と受け取れる発言だ。
 菅氏は裏金事件に関し「首相自身が責任に触れず今日まで来ている。不信感を持っている国民は多い」と言及。総裁選で新たなリーダーが出てくるべきではないかと問われ「そう思う。党の刷新の考え方などを理解してもらえる最高の機会だ。きちんと対応していくことが一つのチャンスだ」と語った。
 「ポスト岸田」候補も総裁選に相次いで言及した。茂木敏充幹事長は、国会閉会に触れた上で「夏の間、よく考えたい」と北海道北斗市で記者団に述べ、熟慮する立場を強調。裏金事件を踏まえ「日本をどうしていくか。地域をどう活性化していくか。みんなと力を合わせ、党として反省をしながら、結束できるような体制をつくることが大切だ」とも語った。
 石破茂元幹事長は秋田市で講演し、7月の都知事選や都議補欠選挙を挙げ「党の命運を懸けた選挙がある時に『俺が、俺が』と言うのは良いことではない」と説明。その上で「来たるべき時に何を言っているのか分からないということは絶対にしてはならない」と語り、時機を見て結論を出す考えを示した。田村憲久政調会長代行はフジテレビ番組で、首相の求心力低下に関し「総裁が代わっても支持率が上がるほど甘い状況ではない」と指摘。総裁選では党が変わったと思われるような政策論争が必要だとした。