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那覇など離着陸担当管制官 羽田事故 再発防止へ中間案


那覇など離着陸担当管制官 羽田事故 再発防止へ中間案 管制官の配置見直しのイメージ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 羽田空港で日航と海上保安庁の航空機が衝突した事故を受け、国土交通省は24日、有識者を交えた対策検討委員会の第7回会合を開いた。再発防止策として、羽田や成田、那覇など主要8空港で離着陸調整を担当する専属の管制官を新たに配置することや、管制官の増員、滑走路に誤進入した際に警告音を出す仕組みを導入することなどを盛り込んだ中間とりまとめを公表した。
 国交省によると、管制官の増員は、既に管制官の資格を持つ職員を配置転換して改めて管制業務に就かせるなどし、詳細は今後、検討する。離着陸調整を担当する管制官は今年の夏の繁忙期をめどに配置するとしている。一部は関連予算を今夏の概算要求に計上する。
 中間まとめではこの他、管制官がパイロットに「ナンバー1(1番目)」などと離陸順を伝達する情報提供の再開を検討すべきだとした。滑走路進入許可と誤解された恐れがあるとして、事故後の緊急対策で当面見合わせていたが、パイロットへのヒアリングでは有益な情報として再開を望む声が上がっていた。
 国交省は中間まとめで盛り込まれた防止策を進めつつ、最終まとめや、運輸安全委員会が今後作成する調査報告書も基にさらなる対策を講じる方針。
 着陸機が接近する滑走路に別の機体が進入した際、管制官の卓上画面の色が変わり注意喚起する「滑走路占有監視支援機能」について、10月をめどに音も鳴るように仕様変更する。
 また、航空灯火の追加設置も盛り込み、滑走路に航空機がいると点灯し、進入しようとする他機に警告を与える「滑走路状態表示灯(RWSL)」を設置する空港や滑走路を増やす。事故のあった羽田空港C滑走路には未整備だった。
 委員会はヒューマンエラー防止の研究に取り組む早稲田大の小松原明哲教授が座長を務め、1月19日に初めて開催された。事故の概要や安全対策の現状、諸外国の取り組みなどを共有し、再発防止策を検討してきた。

 航空管制官 航空機の安全な飛行のためパイロットと無線で連絡を取り合いながら、離着陸の許可など空の交通整理を担う。航空法施行規則などを根拠とし、航空機側への指示や連絡といった国土交通相が持つ権限を職務とする。「飛行場管制業務」は各空港にある管制塔から離着陸の許可や空港内の走行経路を指示。「ターミナル・レーダー管制業務」はレーダーで航空機を捉え、離着陸機の間隔を安全に保ったり、順番を調整したりする。「航空路管制業務」は日本が担当する空域を四つに分け、札幌・東京・神戸・福岡で空港間を飛行する航空機に指示や許可を与えている。