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バイデン氏、撤退否定 米有力紙は交代要求 高齢不安深まる


バイデン氏、撤退否定 米有力紙は交代要求 高齢不安深まる 28日、米ノースカロライナ州で開かれた選挙集会で演説するバイデン大統領(ゲッティ=共同)
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 【ワシントン共同=新冨哲男、木梨孝亮】米民主党のバイデン大統領(81)は28日、南部ノースカロライナ州の選挙集会で演説し、共和党のトランプ前大統領(78)との27日の大統領選討論会で自身が不振だったと認めた上で、選挙戦からの撤退は否定した。深まる高齢不安を払拭し、11月に再選を果たす意欲を示した。ただ2020年大統領選でバイデン氏を支持した有力紙ニューヨーク・タイムズは社説で交代を要求。候補差し替え圧力が強まっている。
 討論会では声がかすれたり、質問への回答で結論を言えなかったりし、民主党内から「大失態」との批判が拡大。28日のバイデン氏は一転、力強い調子で演説し「かつてのようにうまく討論できない。だが大統領職をやり遂げる方法は分かっている」と訴えた。「倒された時は立ち上がらなければならない」と巻き返しを図った。
 陣営幹部は出馬を取り下げる可能性を否定。ジャンピエール大統領報道官はバイデン氏が風邪をひいたと説明した。
 一方のトランプ氏は南部バージニア州での集会で、討論会で「大きな勝利を成し遂げた」と宣言し、勢いづいた。
 ニューヨーク・タイムズ電子版は28日、見出しで「米国のためにバイデン氏は選挙戦から去るべきだ」と指摘した。トランプ氏の「危険性」に触れ「より強い対抗馬が必要だ」として民主党に新たな候補を擁立するよう呼びかけた。
 バイデン氏は集会で「自分はもう若くない」と述べ、昔のようにうまく歩いたり、話せなくなったりしたと吐露。虚偽主張が目立つトランプ氏と違って「私は真実を伝える方法を知っている」とも語った。
 討論会を主催したCNNテレビによると、約4790万人がテレビで視聴。インターネット配信は3千万回以上視聴された。民主党のオバマ元大統領は、討論会は党にとって「悪い夜」だったが、バイデン氏の人格や実績を「変えることはない」と擁護した。