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陸、海自5人懲戒処分


陸、海自5人懲戒処分  酒井良  海上幕僚長
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 自衛隊で特定秘密のずさんな取り扱いが確認された問題で、海自トップの酒井良海上幕僚長が引責辞任の意向を示す事態になった。防衛省は今年4月、海自の護衛艦「いなづま」で、特定秘密保護法に基づき、秘密を扱う公務員らの身辺を調査する「適性評価」を経ていない隊員1人を、特定秘密を取り扱う任務に当たらせていたと公表。陸自でも、幹部自衛官が有事の際の活動に関する秘密を、知り得る立場にない隊員に伝えたと明らかにし、陸、海自の計5人を停職や減給の懲戒処分にした。 (1面に関連)
 木原稔防衛相は処分を公表した4月26日の記者会見で「極めて深刻に受け止めている。再発防止に全力を尽くしていく」と強調。防衛省は他にも同様の事案がないかどうか、防衛省・自衛隊を対象に調査を開始した。
 その結果、いなづま以外の複数の海自護衛艦で特定秘密の不適切な運用が確認されたほか、空自などでも資格のない隊員らが特定秘密に触れた疑いが浮上したという。
 2023年末時点で各省庁が指定する特定秘密は計751件で、防衛省はうち最多の429件。武器の仕様や性能、暗号に関する情報が多い。