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都議補選、自民大敗 2勝6敗 萩生田氏地元で敗北 衆院選に懸念広がる


都議補選、自民大敗 2勝6敗 萩生田氏地元で敗北 衆院選に懸念広がる 今後の主な政治日程
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 東京都議補欠選挙(欠員9)は8日、開票結果が確定した。自民党は派閥裏金事件で党役職停止1年となった萩生田光一前政調会長の地元、八王子市選挙区で敗北するなど、擁立した8選挙区で2勝6敗と大敗。政治不信による逆風が鮮明となり、岸田文雄首相の政権運営に打撃となった。都知事選でも、政党の支援に頼らなかった前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏が無党派層の受け皿となり、自民内で次期衆院選への懸念が広がった。 (7面に関連)
 首相は「結果を真摯(しんし)に受け止め、今後に生かしていかなければならない」と岐阜県恵那市で記者団に語った。9月の総裁選への対応を問われ「先送りできない課題で結果を出すことに専念している。それ以外のことは考えていない」と述べた。
 都議補選は、都内の次期衆院選の区割りとほぼ重なるため、各党の党勢を占う先行指標となる。自民は欠員が生じる前は全9選挙区のうち、5議席を占めていたが、勝敗ラインの目安とした「4勝」を大きく下回った。改正政治資金規正法成立後も裏金事件は尾を引き、党内では首相の「選挙の顔」としての役割を不安視する声が相次ぐ。
 大西英男衆院議員(東京16区)は「自民は完敗と言っていい。首相は謙虚に国民の声に耳を傾けて辞任し、9月には新しい総裁を選ばなければならない」と記者団に強調。
 小渕優子選対委員長は、都議会第1党を維持したとしながら「改めて襟を正し、党の信頼回復と政治改革に全力で取り組む」とのコメントを発表した。
 7日投開票の東京都知事選は、自民が支援した現職の小池百合子氏が3選を果たした一方、石丸氏が交流サイト(SNS)の動画などで無党派層の支持を集め、立憲民主党と共産党が支援した前参院議員の蓮舫氏を抑えて2位となった。
 補選は、自民2人の他、小池氏が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」が3人、無所属が2人、立民と諸派が1人ずつ当選した。