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今崎氏、最高裁長官へ 裁判官出身、戸倉氏後任


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 最高裁の戸倉三郎長官(69)が8月で定年退官するのに伴い、後任の第21代長官に今崎幸彦最高裁判事(66)が就任する人事が8日、固まった。近く閣議で正式決定する見通し。長官の交代は2022年6月以来で、任期は定年の70歳を迎える27年11月まで。裁判官出身の長官は13人連続となる。
 今崎氏は兵庫県出身で京大卒。1983年に判事補に任官した。刑事裁判のほか最高裁事務総局での勤務経験が豊富で、裁判員制度の導入に関わるなど司法行政に精通している。水戸地裁所長、最高裁事務総長、東京高裁長官などを歴任し、2022年6月に最高裁判事に就任した。
 最高裁では、トランスジェンダーの経済産業省職員が省内で女性用トイレの使用を不当に制限されたとして、国に処遇改善を求めた訴訟で裁判長を務め、23年7月に制限を認めない判決を言い渡した。補足意見では、社会生活で性自認にふさわしい扱いを求めることは「ごく自然かつ切実な欲求」とし、どう実現するかは「今や社会全体で議論されるべき課題」とした。
 今月3日に大法廷で判決が言い渡された旧優生保護法訴訟では、旧法を違憲と判断した。