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防衛省不祥事4項目処分 週内 海自、手当不正受給疑惑


防衛省不祥事4項目処分 週内 海自、手当不正受給疑惑 記者会見する海上自衛隊の酒井良海上幕僚長=9日午後、防衛省
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 防衛省・自衛隊の特定秘密の不正運用や、「背広組」が中心の内部部局(内局)の幹部によるパワハラ問題で、同省が、週内に内局の審議官級を含む関係者を懲戒処分にする方針を固めたことが9日、複数の政府関係者への取材で分かった。海自では隊員が潜水手当を不正に受け取っていた疑いが新たに浮上。処分対象は、この手当受給と自衛隊施設などでの飲食に関する行為の計4項目と判明した。相次ぐ不祥事疑惑の発覚に防衛省・自衛隊への信頼が大きく揺らぐ事態になっている。
 防衛省関係者によると、海自の複数の隊員は、潜水作業に従事した隊員に支給される手当を、実際には潜水していないのに不正に受け取った疑いがある。総額は数千万円に上るという。海自トップの酒井良海上幕僚長は同日の記者会見で、既に調査に着手していると明らかにした。「事実関係に基づき適切に対応していく」と述べ、近く結果を公表するとした。
 関係者によると、懲戒処分の対象となっている一連の問題のうち、政策立案や法令作成を担う内局では、審議官級を含む複数の幹部が部下に威圧的な言動を繰り返し、精神的な苦痛を与えたとされる。
 防衛省は今年4月、海自の護衛艦「いなづま」と、陸自北部方面隊(札幌市)の部隊で特定秘密の不適切な取り扱いがあったとして、幹部自衛官計5人を停職や減給の懲戒処分にした。防衛省はその後、防衛省・自衛隊全体で特定秘密の運用状況を調査。その結果、陸海空3自衛隊の運用を担う統合幕僚監部などでも無資格の隊員が特定秘密を扱ったケースが確認された。海自ではいなづま以外の複数の護衛艦でも不正運用が常態化していた疑いがある。