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強制不妊、新法で補償へ 超党派議連 作業チーム設置


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 障害を理由に不妊手術を強いた旧優生保護法を憲法違反とし、国の賠償責任を認めた最高裁判決を受け、超党派の議員連盟は9日、国会内で総会を開き、被害者への補償の在り方を議論するプロジェクトチーム(PT)の設置を決めた。補償に向けた検討が本格化した。新法の制定を目指す。岸田文雄首相は自民党役員会で、原告側と17日に面会すると表明した。直接謝罪する意向だ。
 具体的な補償の金額や対象範囲が焦点となる。補償に関し、林芳正官房長官は9日の記者会見で「議連の議論を注視し、議連と相談しながら検討を進める」と語った。
 総会で、議連会長を務める自民党の田村憲久政調会長代行は「新たな法律を作る必要性を感じた」と述べた。「反省にのっとった国会決議を考えていかなければならない」とも言及した。
 原告側弁護団も出席し「全ての被害者を救済する制度を作ってもらいたい」と要望。原告の一人は早期救済を求めた。
 PTの座長には、立憲民主党の西村智奈美代表代行が就く。総会後、議連事務局長の社民党の福島瑞穂党首は、検討する新法について「(秋にも想定される)臨時国会への提出を目指したい」と記者団に強調した。
 首相は自民党役員会で「政府として真摯(しんし)に反省し、心から深くおわび申し上げると明確に申し上げたい」と説明した。茂木敏充幹事長が記者会見で明らかにした。
 強制不妊問題を巡っては、2019年4月、被害者に一律320万円を支払う一時金支給法が施行。損害賠償とは異なり「見舞金」との位置付けで、超党派議連が支給法の制定に中心的な役割を担った経緯がある。