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山口氏9月引退を示唆 公明代表 「任期終了基本に」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【バンコク共同=中西彩由美】公明党の山口那津男代表は13日、訪問先のタイ・バンコク近郊で同行記者団と懇談し、9月末の開催を見込む党大会での代表引退を示唆した。衆院解散・総選挙を念頭に「事態が急変するようなことがない限り、任期を終えることを基本に考えたい」と述べた。後進育成に努力してきたとして「党の世代交代を確実に進めるという点もしっかり踏まえて判断したい」と語った。
 党内に続投を求める声があることを問われ「いろいろな声は承知している。謙虚に声を受け止めなければいけない」とも言及。「新しい力、新しい人材の活路をつくっていくことも極めて重要な課題だ。そこをしっかり見た上で最終的に判断したい」と強調した。代表選日程が明確になったところで、自身の考え方を示すとした。
 代表任期は2年で、山口氏が無投票で8選を決めた前回2022年は、8月25日の中央幹事会で代表選日程を了承した。公明は1998年の党再結成以来、選挙戦となったことはない。
 ただ山口氏の後継選びは容易ではない。党幹部は山口氏の発言について「寝耳に水だ」と話す。党内では「ポスト山口」候補に石井啓一幹事長の名が挙がるが「なっちゃん」の愛称で支援者に慕われる山口氏と比べ、知名度不足は否めない。
 22年代表選では一時、石井氏の選出も有力視された。ただ直前の参院選で比例代表800万票の目標に届かず、党が重視する23年統一地方選へ不安が高まったため、安定感を重視し山口氏の8選が決まった経緯がある。