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夜間早朝飛行が4割 嘉手納基地への無人偵察機MQ9配備から1年 周辺住民の負担増す


夜間早朝飛行が4割 嘉手納基地への無人偵察機MQ9配備から1年 周辺住民の負担増す 夜間から早朝にかけて離着陸が多い空軍の無人偵察機MQ9=9日、米軍嘉手納基地
この記事を書いた人 Avatar photo 金盛 文香

 【中部】米空軍の無人偵察機MQ9が嘉手納基地に配備されてから13日で1年がたった。2023年10月から24年8月までの沖縄防衛局の目視調査によると、MQ9の離着陸などの回数、計808回のうち4割近い297回が、騒音規制措置で飛行が制限されている午後10時から午前6時までであることが分かった。戦闘機による騒音激化に加え、MQ9の夜間・早朝の離着陸も多く、住民の負担は増加している。

 防衛省によると、MQ9の離陸時に地上で計測される騒音は、約120メートル上空を飛行している時で最大75デシベル。戦闘機に比べ騒音が小さいというが、この数値は「うるさい掃除機」に相当するとされている。

 夜間や早朝の離着陸について米空軍第18航空団は本紙の取材に「日本政府と事前に合意した作戦要件を満たすために必要な場合、午後10時から午前6時の間に飛行する。これらの作戦要件には、人道支援、災害救援、テロ対策、その他の悪質な脅威に対する警戒を支援する情報、監視、偵察能力が含まれる」と説明した。

 嘉手納基地には空軍に加え、今年の5月以降に海軍のMQ4が2機、8月以降に海兵隊のMQ9が2機配備された。現在計12機の無人機が展開している。

 10月までの一時展開を予定している海軍のMQ4について、米第7艦隊は帰還の時期について「作戦の安全上、今後の具体的な日程については言及しない」と本紙の取材に回答した。

 空軍のMQ9配備を巡っては周辺自治体の首長や議会から、基地負担軽減に逆行するとして反対の声が上がっていた。新たな無人機の配備計画が出る度に同様の要請がなされているが、なし崩し的に無人機の配備が進んでいる。 

(金盛文香)