最高裁裁判官の国民審査 沖縄関係の裁判に宮川氏と尾島氏<衆院選2024沖縄>


最高裁裁判官の国民審査 沖縄関係の裁判に宮川氏と尾島氏<衆院選2024沖縄> 最高裁(資料写真)
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 最高裁裁判官の国民審査の投票が27日、衆院選と同時に実施される。対象は2021年の前回衆院選後に任命された裁判官6人で、このうち、沖縄関係の裁判には2人が関与した経験がある。

 宮川美津子氏(64)が裁判長を務めた最高裁第1小法廷は2024年4月、名護市辺野古の新基地建設に向けた沖縄防衛局による大浦湾からのサンゴ類の移植を巡り、農相が県に特別採捕を許可するよう「是正の指示」をしたことは違法だとして、県が指示の取り消しを求めた訴訟で県の上告を不受理とした。

 宮川氏が裁判長を務めた最高裁第1小法廷は同9月、石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票を巡る市民3人の当事者訴訟でも市民の上告を棄却。同2月には、宮川氏を含む最高裁第1小法廷が、辺野古を巡る同種訴訟のうち、国交相による史上初の代執行を巡る県と国との訴訟で県の上告受理申立を不受理としている。

 尾島明氏(66)が裁判長を務めた最高裁第2小法廷は、23年2月、竹富町発注の水道事業を巡って加重収賄などの罪に問われた前町長の元被告の上告を棄却。同3月には、米軍北部訓練場のヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設現場の警備のために愛知県警が機動隊を派遣したのは違法だとして、隊員給与などを当時の県警本部長に賠償させるよう愛知県に求めた住民訴訟で、県の上告を退け、県の賠償を認めた二審判決を確定させている。